2012年12月8日土曜日

風と共に去りぬ

いつ観たのかも忘れたけど、『風と共に去りぬ』を観た。
4時間ほどの大作で、長いと思ったけど、苦痛に感じるほどの長さではなかった。ちょっと退屈だなぁっていう程度。

アメリカでは唯一の国内紛争、南北戦争を主軸に、その前後での主人公の心変わり、愛すべきものにスポットを当てた映画。
アメリカ人にとって象徴的な出来事だからこそ、アメリカ人受けは良かったんだろうけど、その辺の知識がない俺からすると、良い映画だとは思うけど、あんまり深入りは出来なかった。


最近映画観れてない。近々、『悪の教典』は観に行く予定だけど、いつ観れるかなぁ。

2012年11月23日金曜日

推理作家ポー 最期の5日間

いつ観たかも忘れたけど、ようやく感想をアップ。

ポーの小説は『モグル街の殺人』しか読んだことがない。
とりあえず、近々、Kindleを手に入れたら読み直そうと思ってる。まぁ、紙の本も持ってはいるんだけど。

さてさて、この映画、タイトルにもあるように、ポーが死ぬ直前の5日間を描いた作品。
その期間に何があったのかは未だに謎らしいけど、この作品ではその期間に、ポーの小説を真似たイカれた犯罪者が現れた。っていうことにしてる。
犯罪者を見つけ出すために、ポーは小説を書く。
ポーの意中の女性がさらわれて、ポーの家が焼かれて、っていう、不幸な人物像が出来上がってた。
少々ショッキングな映像も出てきたりした。

面白かった。
DVDなりBDなりが発売したら、手に入れたいなぁと思う。



感想なんて全然入ってないような感じの文章になっちゃった。

2012年10月2日火曜日

ハンガー・ゲーム

最近巷で話題の『ハンガー・ゲーム』を観てきた。
この映画、展開が『バトル・ロワイヤル』に似てるっていう評価を下してる人が多いらしい。
『バトル・ロワイヤル』に関しては全然観たことなくて、殺し合いの授業をするっていう程度しか知らないんだけど、少なくとも『ハンガー・ゲーム』はもっと深い話だと思う。娯楽作品ではあるけれど、社会派な感じが漂う。
そもそも、単にみんなが殺し合うだけなら、こんなに話題になるわけがない。

映画の舞台はある時代のある国。そこでは毎年ハンガー・ゲームという娯楽が開催されてる。これは、首都を囲む12の貧民地域から毎年男女1人ずつ、合計24人を選出して、特別に作られたドームで最後の1人になるまでサバイバルゲームを行うというもの。
きっかけは、昔起こった内乱らしい。政府を倒そうという動きがあって、その時には政府が勝利したものの、それ以降反乱を起こそうという気にさせないために、こういうゲームで国民に恐怖を植え付けてるっていうわけだ。

少なからずどの国にもありそうなメンタリティだ。

主人公は1人の少女。
妹が選出されたところを庇って自ら志願した。
得意の弓と知恵と勇気で生き残る。

原作は読んでないんだけど、楽しめた。
アメリカが抱える矛盾を描いた作品だけど、日本だってこういう部分があるんじゃないかなぁとか何とか。現行制度に甘んじてる部分とか。

今読んでる本が終わって、あと数冊早急に読みたいって思ってる本があるから、それが終わったら原作読もうかな。

この作品は3部作らしい。残り2作品、楽しみだ。

エイリアン

『エイリアン』を観てきた。いつの映画かは知らないけど、午前十時の映画祭で上映してた。

ものすごく眠くて最初の30分は意識して睡眠の時間にあてたけど、特に内容が分からないなんていうことはなく、分かりやすい映画で助かった。

宇宙貨物船が宇宙を航行中に信号を傍受、その発信源を辿っていった先でエイリアンに襲われたっていう単純なお話。
先週『鳥』を観た時も思ったけど、単純な話をこれほどまでに引っ張れるあたりに高度な撮影技術を感じたりする。

エイリアンの姿って、今も昔もあんまり変わらないのはなぜなんだろうっていうことを考えた。
あの、頭が妙に長い感じのエイリアン。親地球派も反地球派も、エイリアンっていえばああいうデザイン。もちろんたまには違う感じの奴らもいるけれど。
エイリアンの元祖はこの映画? それとも、あのエイリアン像にはもっと昔に期限があるのだろうか。

2012年9月25日火曜日

ソハの地下水道

TOHOシネマズシャンテで『ソハの地下水道』を観てきた。

こういう映画こそ、多くの人に観てもらいたいって思うんだけど、残念ながら上映館が少なすぎる。

この映画、ポーランドの映画なんだけど、舞台は第2次世界大戦下。ドイツ人に迫害を受けるユダヤ人が地下に張り巡らされてる下水道管に逃げ込む。そこで、ポーランド人で下水管工事と点検の仕事をしてる冴えない男、ソハと遭遇。
ユダヤ人を見つけたら通報するのが当たり前、見逃したら罰せられるっていう環境で、ソハは彼らをかくまうことを選択する。

映画は全体で143分、そのほとんどが地下水道で展開される。少し長めの映画ではあるけど、ものすごく引き込まれた。地下が舞台だからもちろん全編に渡って結構画面が暗いんだけど、それでも美しいなっていう印象を受けた。
地上から注がれる雨水をまるでシャワーのように裸体に浴びる女性をみて、それが地下だとは考えられたなかった。

生きることと引き換えに光を捨てて、地下に逃げ込む彼ら。
生きることの厳しさと、戦争のつらさを感じた。
近代史ってつまらないって高校生の頃くらいまで感じてたんだけど、大学生になってから、徐々に徐々に、戦争とか、それをひっくるめた今につながる最近の出来事に強い関心を抱くようになった。
小学生の頃に修学旅行で行った原爆ドーム、当時は何とも思わなかったけど、今行くと、また違う印象を持つんだろうなぁと思ったり。
もっともっと、戦争を体験した人々に、話を聞いとけば良かったなぁと思ったり。

エンドロールに入る前、彼らが14か月もの間地下で過ごしたことが明かされる。
1年以上光が当たらない世界に生きてて、どんな気持ちだったんだろう・・・

アカデミー賞にも2部門ノミネートされたらしい。
観てみると、何かしら心に残るものがあるんじゃないかと思う。


ちなみに、映画の原作は『ソハの地下水道』っていう本なんだけど、これは当時のことを知る人々にインタビューして、当時のことを綴った本らしい。
その本を書いた著者は、さすがに地下で生活した人たちが生き残ってるはずはないって考えたらしいけど、実は、クリシャ・ヒゲル(英語だとクリスティーネ・ケレン)っていう女の子が今アメリカに渡って生活してて、『緑色のセーターの女の子』(英語)っていう当時のことを回想した本を出版してるっていうことを後に知ったそうだ。クリシャもこの映画は当時のことをリアルに再現出来てるって評価したらしい。


ところで、映画館でフレッシュネス・バーガーのバーガーを食べてる男がいた。
紙袋とかビニール袋の音がうるさくて、よっぽど文句言ってやりたかったけど、うるさいのは予告編の間だけで本編始まってからは収まったから、何とか我慢できた。
映画館で音を発するっていうのは万死に値する。

TOHOシネマズみゆき座でヒッチコック監督作品、『鳥』を観てきた。午前十時の映画祭の上映作品の1つだ。

鳥が人間を襲うっていう、言葉にしてしまえばそれだけの話ではあるんだけど、圧倒された。
どの辺が凄いかっていうと、あれだけ大量の鳥を登場させたことだ。
当時の撮影技術がいかなるものかっていうことに関しては知識がないから何とも言えないけど、あれが全部本物だとは思えない。大抵は特撮なんだろう。かと言って、あれが全部偽物っていうこともないだろう。そうすると、やっぱりすごいって思う。

主人公メラニーは、ペットショップで出会った弁護士、ブレナーの家へ向かう途中、カモメに襲われる。これが最初の事件。鳥の様子が何かおかしい。大勢の子供を大群で襲撃したり、家を大群で襲い、結果主を殺したり。
メラニーとブレアは、車で街を脱出しようとする。

脱出しようと車を発進させたところで映画は終了するから、たぶん脱出成功なんだろう。

単純な動物パニックムービーではあるけど、傑作だ。

2012年9月18日火曜日

天地明察

待ちに待った『天地明察』がようやく公開した。

原作読んだころから楽しみにしてたんだけど、映画も非常に良かった。
原作に忠実っていうわけではなかったけど、そもそもどの程度史実にのっとってるのかが分からない時点でそういうものを気にしても仕方がない。
少なからず長いかなっていう印象はあったけど、それでも退屈せずに見れた。

1つのことに長い時間を費やしながらも、だからといってそれだけに没頭するわけではない。そういう生き方をしてるのが主人公の安井算哲。素直に格好良いと思う。
囲碁のシーンも緊迫感あって良かった。初手天元打つのにあのモーションは必要なかったんじゃないかって思ったりもしたけれど。

鍵泥棒のメソッド

自殺志願の売れない俳優が銭湯へ。
ある男が大胆に石鹸ですべって頭撃ったところを目撃。その男のロッカーのカギと自分のカギをすり替えた。
そんなことをしちゃったものだから、殺し屋に間違われたりして、てんやわんやの大騒ぎ。

あんまり期待せずに観たんだけど、結構面白かった。
2、3回オチがあって楽しかった。
ただ、あまりにもハッピーエンドだから、もう少しブラックな要素を入れても良かったんじゃないかって思ったり思わなかったり・・・

2012年9月17日月曜日

コッホ先生と僕らの革命

大きなシネコンではほとんどやってないようなマイナー作品。
でも素晴らしい作品。
ドイツ版『いまを生きる』っていう評価をされてたりもするらしい。『いまを生きる』は観たことないから何とも言えないけど。

コッホっていうのはドイツサッカーの創始者の1人だ。
1,800年代後半、サッカーがまったく行われていなかったドイツで少年サッカークラブを作ることで、ドイツ全土にサッカーを広めるきっかけを作ったのがコンラート・コッホ、この映画の主人公だ。
完全な実話ではないらしくて、監督曰く、おおまかに事実にのっとった作品らしい。
今ではFIFAランキングで常にトップクラスのドイツに、サッカーを受け入れようとしない時代があったことが、驚きだ。普及し始めても禁止し続けた地域もあるらしいし。

実際は異なるらしいけど、映画でのコッホは、イギリスに留学後、ドイツの小学校に赴任して反英感情が根強いドイツで初めての英語の先生になる。
しかし、英語教育に乗り気じゃない生徒たち。彼らに対して提案したのがサッカーだ。
サッカーを通して、コッホは仲間意識やフェアプレーの大切さを生徒たちに身に付けさせようとする。

ラストシーンは感動的だった。

確かにサッカーは野蛮なスポーツだ。反英感情がなくても、広めるのってなかなか難しいんだと思う。
実際にはキーパーを避けながらゴールを決めようとするところを、キーパーの方からボールに向かっていくわけだけど、パッと見、1人で棒立ちになってるところにボールを蹴り飛ばす弱いものいじめだと受け取られても仕方がないなぁって映画を観ながら思った。

サッカー、個人的にはそこまで面白さを感じないスポーツの1つではあるけど、この映画でちょっとは見直した。

レベッカ

午前十時の映画祭作品の1つ。
ヒッチコック監督の『レベッカ』。
ヒッチコックの名前こそ知ってるものの、俺が生まれる前の人物だから、1度も観たことはなかった。映画好きとしては恥ずべきことではあるけど、どんどん新作が公開される中で、過去の作品に手を伸ばす機会はなかなかないんだよなぁ。
だから、午前十時の映画祭は結構重宝してる。映画館の大スクリーンで名作を週替わりで観れるっていうのは素晴らしいことだと思う。過去の名作を受け継ぐっていう意味でも、映画ファンを増やすっていう意味でも大成功を収めた企画だと思う。

近くの映画館ではやってないから、観ようと思えば都内に出るしかなくて、なかなか時間が取れなかったりする。ここ半年以上は午前十時の映画祭作品は観てなかった。
それで、久々に観たのがヒッチコック監督の『レベッカ』だったわけだ。

面白かった。
レベッカという前妻をなくした男がモンテカルロのホテルである女性と知り合い、その人を妻にしたところから物語は動き出す。
男が所有する大豪邸に住むことになった女。
しかし、レベッカ付きの家政婦だったデンヴァー夫人は彼女を認めず、ことあるごとにレベッカを持ち出す。
やがて彼女はレベッカの影に押しつぶされることになるのだが、海岸沖で船の転覆事故が起きてから、物語は大きな転換を迎える。

『桐島、部活やめるってよ』と同様、タイトルになってる人物がまったく出てこない作りになってる。
でも、『桐島~』と違ってレベッカについての説明をきちんとしてくれるから、そういう意味で見やすいんだと思う。
『桐島~』を観たからこそ思うことだけど、もっとレベッカを謎の人物にしても良かったんじゃないかと思う。最近ちょくちょく、説明をし過ぎな映画っていうものに敏感になったりしちゃうんだけど、この映画もそういう部分が少なからずある。

でも、面白かった。

2012年9月14日金曜日

バイオハザード5 リトリビューション

全然興味はなかった作品。
なんで観たのかも謎だ。

そして結果としては、リー・ビンビンが可愛かったというだけの作品。

一応ストーリーはあるわけだけれど、個人的にはドンパチやってる印象の方が強くてストーリーが強調されていない感じが嫌だ。もちろんゲーム自体がそういうものだから仕方ないんだけど、アンブレラっていう会社を倒すことが最終目標に設定されてる状態で、それを実行するだけなのにこんなに引っ張るのが謎でならない。会社に爆薬でも仕掛ければ終わりだと思うんだが違うのか? 自爆テロでも起こせば一発だと思うんだが。
謎だ。

夢売るふたり

松たか子、阿部サダヲ主演の映画、『夢売るふたり』。
観よう観ようっと思ってて、ようやく観に行けた。

期待してたほどではなかった気がする。
序盤、店が焼けるあたりを効果的に見せようとしてスローにしてるけど、それが非常に長ったらしく感じて嫌だった。ああ、こういうことをする監督なんだなって。
むやみやたらとお色気シーンを描こうとするのも共感できなかったし。『闇金ウシジマくん』の時も思ったけど、男女の間の性行為が間接的にしか作用しない作品で女性の胸を見せることに何か意味があるんだろうか。

あることがきっかけで、女性っていうのは共感するとお金を出すものだっていうことを悟って結婚詐欺を企てる妻。その妻の指示に従って、結婚詐欺を実行する夫。
屈折してると思った。屈折してることに気付いていながら、それを絶対に口に出そうとしないことに、更に屈折してると感じた。

説明が少なくて、色々なことを自分で想像するしかなくて、だから内容自体にどうこう言いたくない。
バカな人間が世の中多すぎるっていうことだけだ。
共感を持てたのは田中麗奈だけだった。それ以外の女には正直なところ興ざめした。
そういう映画だ。

松たか子と田中麗奈が映える映画だった。
タイプが違うけど、個人的には田中麗奈の方が好きかもしれない。

2012年8月27日月曜日

闇金ウシジマくん

山田孝之主演の映画、『闇金ウシジマくん』を観てきた。
山田孝之は割と好きな俳優だ。大島優子は嫌いだけど。

面白い映画だった。闇金業界には常々興味を持ってる。興味を持ってるだけで、もちろん接触したことはないけど。
高利にも関わらずそこでお金を借りようとする人間と、貸し倒れのリスクが高いにも関わらず高利という保険で誰にでも金を貸す業者。バランス取れてるなぁと思う。
高利にするからこそ、どこかから回収不能になっても、別の場所できちんと回収すれば元が取れる。
そのバランスは一般的な消費者金融と同じだけど、闇金の方がそのバランスが絶妙な気がするのは俺だけだろうか。

金がテーマの話ではあるけど、『ハゲタカ』みたいに「この世は金だ」みたいな話ではない。
生き方みたいなものにスポットが当てられてて、闇金業者だけど、通すべき仁義はきちんと通すウシジマや、相手が闇金だとしても、借りた金だからといってきちんと必死に返そうとする客。もちろん、そうじゃない客も描かれてる。
金を手に入れるために風俗に手を出す女もいれば、その一線は意地でも守ろうとする女もいる。それでも、精神的な部分が蝕まれてたりもする。
金によって身を滅ぼす人間。滅びそうになって、ギリギリのところで踏みとどまる人間。ラストはその対比が印象的だった。
風俗で稼ぐ金とファミレスで稼ぐ金、同じ金額でもその価値は全然違う。
なんだろうなぁ・・・
金って何なんだろうなぁって思った。
金って大切なんだ。「お金なんて・・・」とか言ってるやつは将来絶対金に困ることがありそうだし、成功も出来ない。人生におけるある程度の価値はそこにある。でも、だからと言って人生のすべてではないわけで。
金があれば信頼されるわけでもなく、お互いに信頼あってたとしても、金銭問題は別だっていうこともあって。色々特別な存在なんだよな、お金って。

ところどころ無意味なエロシーンっていうか、女性の胸を露出させる場面とかが出てきたんだけど、クレジット見てたら、AV女優の希崎ジェシカとか出てたみたい。端役まで含めたら登場人物多すぎてよく分からなかったけど。
あの手の職業も謎だよなぁ。ものすごく可愛い子がAV女優やってたりもするし。
風俗にしてもAVにしても、仕事として一定の評価はしてるつもりだけど、それでも、やっててどんな気持ちなんだろうって考えたりする。
たぶん、世の中で体を売ることはいけないことだっていう風潮があるからこそなんだけど、低俗な仕事だっていう意識が少なからず人々の頭にはあると思うんだ。
そこにあえて飛び込んでいこうとする人は、興味本位なのか、金とかのためにやむを得ずなのか、それとも、そこに非常に高い価値を見出してるからなのか。俺にはよく分からない。
たぶん、金のために体を売る女っていう位置づけの人物を映画の中に出してきたのも、製作者側が意図したことなんだろうなぁ。


原作は読んでないけど、Kindle日本版が発売されたら読んでみようかな。マンガを買う気にはなれない。

2012年8月18日土曜日

少年は残酷な弓を射る

なんだか難しい映画だった。

母親に対してだけ、敵愾心と執着心をむき出しにする息子。それは成長してからも変わらず、ついには殺人まで犯してしまう。

この息子の気持ち、なんとなく分からなくはないんだけど、でも、うまく説明出来ないんだよなぁ。
とりあえず、産むかどうかを決めるのは母親であって、何となく避妊せずにセックスした結果望みもせずに生まれてきたのが自分だとすれば、やっぱり母親に対しては嫌悪感を持ってしまうと思う。

こういう、考えさせてくれる映画大好きだ。

遊星からの物体X ファーストコンタクト

1982年に制作された映画、『遊星からの物体X』の前日談だ。
『遊星からの物体X』の冒頭に犬を追いかけるシーンがある。なぜその光景に至ったのかまでが描かれている。

人に擬態出来る未知の物体が現れた。というお話。目の前にいる人間が、もしかしたら怪物なのかもしれないという極限状態の中で過ごす2日間。
人を信頼できないっていう状況が描かれてて、そういう空気感が大好きな俺としては非常に面白かった。物足りないっていう人もいるのかもしれないし、オリジナルの作品を観てないから、そこで描かれたものと比べてどうなのかっていう部分に関しては何も言えない。

南極、行ってみたくなった。

2012年8月12日日曜日

桐島、部活やめるってよ

塾の生徒に小説を勧めたら、どうして「やめたってよ」じゃなくて「やめるってよ」なの? ってツッコミを受けた。どうでも良いって思ってたんだけど、割と本質を突いた質問なのかもしれないって映画を観て思った。

バイトを早く切り上げることが出来てありがたいことに帰省後になるかなぁと思ってた『桐島、部活やめるってよ』を観ることが出来た。急遽観ることになったから手元に前売り券がなかったけど、まぁいいやって思って正規の値段払って観た。

観て正解だった。素晴らしい。
実際のところ、出演者に興味があって観ようと思った映画だった。あらかじめ原作を読んで、それなりにメッセージが込められていて良い話だとは思ってたけど、その小説の書き方からして映画はあんまり面白くないんじゃないだろうかって思ってた。
全然そんなことはなかった。
構成は全然違った感じになってるけど、核は全然ぶれてなくて、そこへの持っていきかたは、たぶん小説より映画の方が良いかもしれない。

物語は桐島が部活をやめるっていう話が学校で広まったところから始まる。
彼女、友達、地味な映画部の前田、様々な視点から、桐島のうわさが広まった金曜日の出来事が描かれる。予告で「繰り返される金曜日」なんて出てたから、? っていう感じだったけど、実際のところ、本当に金曜日が繰り返されてた。4回、金曜日が繰り返された。

「相手は吹奏楽部、同じ文化部だから大丈夫だろ」
「あの人たちの前で本当のこと言ってもね」

学校っていうシステムの中にあるヒエラルキーが残酷なまでに、でも活き活きと描き出されてた。
輪の中に溶け込んでおくために本音を隠す。面と向かっては言わなくても、運動部にコンプレックスを感じてる文化部。

「結局、出来るやつは何でも出来るし、出来ないやつは何も出来ないっていうだけの話だろ」

そう口にしながらも、自分の将来に不安を感じ、打ち込むものがない自分に迷いを抱いてる何でも出来る菊池。

様々な人々の思いが交錯して、学校の屋上で衝突する。

「僕たちは、この世界で生きていかなくてはならないのだから」

前田の言葉は、誰でも心に感じ入るんじゃないだろうか。世界の広さは様々でも、それでも、人それぞれ生きる世界っていうのがある。どんなに小さな世界でも、高校生にとって、高校こそが世界のすべてなんだ。そこで生き残るために必死にならなきゃいけない。
俺も高校時代はそうだった。

そして、菊池と前田が対面する。ヒエラルキーの上にいる菊池と下にいる前田。小説でも描かれてる場面だけど、グッとくる。「格好良いね」っていう前田に対して、言葉に詰まる菊池。きっと、菊池にとっては、必死になれるものがある前田の方が格好良く映るんだろう。


主題歌が高橋優の『陽はまた昇る』。映画のラストでこの曲が掛かると、なんだかしみじみとした。


自分の人生、きちんと生きなきゃいけないなって思った。


2012年8月5日日曜日

アナザー




綾辻行人の小説、『アナザー』(クリック)が原作の映画だ。今日、8月4日の午前10時から初日の舞台挨拶付き上映がTOHOシネマズ六本木ヒルズであったから行ってきた。

ネタバレしない程度に映画の感想を書くと・・・

橋本愛は可愛かったし、加藤あいは可愛かったけれども、残念ながら映画の内容に関して言えば、期待はずれな部分が多かった。小説とアニメに触れた後だとなおさら・・・
もちろん、小説の密度、内容から考えて、2時間できちんと原作のすべてに触れることは難しいだろうっていうのは分かってた。良くも悪くも、少なからず内容を変えなければいけないだろうっていうのは観る前から予想出来てた。
でも、それでも、やっぱりあの内容はないんじゃないかと思わざるを得ない。
小説の中で、なくても良いんじゃないか? って思ってた内容が削除されてたりして、そのあたりは好感持てたりもするんだけど、ミステリーの要素が完全に削除されてたのはショックだった。メインはホラーだから、まぁ良いんだけど、最低限、死者があの人だっていうことを榊原が判断するために必要な伏線は残しておいて欲しかったなぁと思うんだよね。見崎が霊安室に行った理由も放置のままだし、色々な部分で説明不足が目立った。
「黄泉のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。」っていうお店、小説では地下があったのに、映画では2階になってたりしたのも残念だった。地下と2階だと、それだけで雰囲気が違い過ぎる。
そして何よりも、見崎鳴だ。活発過ぎる。もっとおとなしい、暗めのイメージで描いてほしかったなぁと思う。

ツッコミばかりだけど、とりあえず映画として面白かったことは否定しない。筋も通ってるし、映画ならではの趣向も凝らされてて面白かった。
これだけ酷評しといてアレだけど、お勧めです。1度は観る価値あり。ただ、原作なりアニメなりで正確なあらすじを把握してからにした方が良い。たぶん映画観ただけだと意味分からない描写がたくさんあって駄作だとしか感じられないと思う。


さてさて、舞台挨拶のお話。
監督、山崎賢人、橋本愛、加藤あい、袴田吉彦の5人が登壇した。監督以外は全員浴衣だった。
橋本愛の赤い浴衣は似合ってて素敵だった。橋本愛は『告白』からのファンで初めて生で見て、その話を聴いたけど、癒される感じで良かった。監督や加藤あいとの掛け合いも楽しかった。「死ぬ気で逃げました」っていう橋本愛の発言に、「死ぬ気で逃げちゃだめだよね」っていう監督のツッコミにキョトンとしてたのは、思わず可愛いなぁって思った。今後も『桐島、部活やめるってよ』や『ツナグ』など上映作品が控えてる。楽しみだ。
ほかの人々も、俺が意識してるせいなんだろうけど、役者としてのオーラ、威圧感みたいなものを感じて凄かった。ただの演じてる人なのに特別扱いしてしまう自分の意識をどうにかしたいと常々思ってるんだけど、この、自分が演じる側に立てないのにっていう嫉妬からくる意識は、どうしようもないんだろうと思う。

2012年7月30日月曜日

おおかみこどもの雨と雪

細田守監督の最新作。

『時をかける少女』は、映画館で観たわけではないけど、テレビで観て、自分が高校生だった頃を振り返って、そのあまりの落差に愕然とした。青春って良いなぁって思ったのを覚えてる。
『サマーウォーズ』は、映画館で観た。面白かった。希薄になってるつながりっていうものを意識した。自分自身、人とのつながりってあんまり感じたことなかったけど、それがネットだとしても、やっぱりつながりって大切なんだなぁと思った。

そんな中で、細田監督の最新作だということで期待をしつつも、『おおかみこどもの雨と雪』は、おおかみ人間っていうありきたりの設定で、あんまり興味が持てなかった。
でも、今日観に行って、感動した。
現実離れしたファンタジーチックな映画だと思ってたんだけど、非常にリアルな作品だった。オオカミ人間っていう設定こそ非現実的だけど、自分自身を受け入れて、相手を受け入れて、どう生きていくか、っていうのは、誰もが人生の色んな場面で悩むことだろうし、恋愛、出産、子育てなんかは、みんなが経験することだ。
おおかみ人間として生きていくか、普通の人間として生きていくか。悩みながらも、それぞれの道を見つけて歩んでいく雨と雪という対照的な2人は、観ていてほほえましかった。
自分のもとを離れていく子供を見送る親ってどんな気持ちなんだろうっていう、当分考えることないだろうなぁって思ってたことについて考えをめぐらしてみたり。

人生って、苦しいけど、楽しいものなんだろうなぁって思った。

メリダとおそろしの森

ディズニー・ピクサー最新作、『メリダとおそろしの森』。
同時上映で『トイ・ストーリー トゥーン』と、『月と少年』のおまけつき。『トイ・ストーリー トゥーン』の方は、ハンバーガーショップのおまけのおもちゃの展示用のバズと、本物のバズが入れ替わっちゃうというお話。ちょっとした脱出劇なんだけど、おもちゃの悲しさみたいなのも描かれてて面白かった。
『月と少年』は、父親、祖父とともに月を掃除するという話。そこで信じられないことが起こったりする。チャーミングで夢いっぱいのお話だった。

本編の『メリダとおそろしの森』は、メリダという王女のお話で、母親である妃に勝手に花婿候補を決められて、その中から結婚相手を決めろといわれるところから、色々物語が動き出す。
自分の信念を曲げず、運命に抗おうとするメリダに好感が持てた。メリダの思いに反してすべてが悪い方向に進むのは非情だった。それでも、最後はハッピーエンドになるところがディズニー映画の良いところ。どんなに相手のことを嫌ってても、やっぱり家族なんだなぁって思った。

ディズニー映画は、ひとつひとつの設定は、案外どこにでもあったりする話なんだよな。それを、あそこまで良い話に仕立てあげることが出来るっていうのが、クリエイターの凄さなんだと思う。常々思うことだけど、最近では、本当にオリジナルなものっていうのはほとんどない。でも、応用が凄いんだ。だから、評価が高いんだと思う。俺も、そういう応用力を身に付けたいと思う。
「伝説は、真実に満ち溢れた教訓」らしい。そんな風に思ったことはなかったから新鮮だった。

上映前に色々なディズニー映画の予告を観た。どれも魅力的な作品で、上映が楽しみだ。